| 和菓子、どら焼きのおいしい店!! ふるさとの夢菓子 心から心へ 吉野屋は地元「本巣」で120有余年のお菓子所です。 |
・あんこ(餡)についてのお話 〜あんこ(餡)ってどうやってできているのかな?
あんこ(餡)は和菓子屋の命。といわれるほど、和菓子屋さんにとってあんこ(餡)は大切なものです。
「あの店はあんこがおいしいから」、和菓子屋さんのファンになる理由でそういった声もよく聞きます。
というわけで、今回は餡のお話です。
まず材料ですが、餡の材料は小豆・砂糖・水。基本的にはこれだけです。
栄養価・効能などはそれぞれ「小豆の話」「砂糖の話」でしているので、ここでは「どうやって餡は作られるのか」という方向で進めていきましょう。
さて、ご存知のとおり餡には2種類ありますね。こしあんと粒あん。
さらにそれぞれに白あんと小豆あんがあります。
材料についてですが、、小豆のこしあん・粒あんは小豆。白のこしあんは手亡(てぼう)といういんげん豆の一種を使います。
そして、白の粒あんは白小豆か小手亡を使います。
続いて、粒あんとこしあんに分けて一般的な作り方の説明をしていきましょう。
まずは粒あん。
粒あんを生の小豆から作ったことある人っていますか?何人かはやったことがあるでしょうか。
でも、知らない人のために紹介しましょう。最初は豆を煮るところからです。
1.水に漬ける
まずは、小豆を水に漬けます。水温10度で約10時間、20度で約6時間。
水に漬けると小豆が煮えやすくなるんです。でも、欠点として風味や色素が水に溶け出してしまいます。(吉野屋では水漬けはしていません。)
家庭で作るときなどは、水に漬けたほうが煮る時間が少ないので良いと思います。
2.火にかけて煮る。
小豆を鍋に移し、水をいれ火にかけます。水はひたひたよりちょっと多いくらいです。
沸騰したら冷水を入れます。これを「びっくり水」といいます。
なぜこんなことをするかというと、小豆は急激に加熱すると皮の周りが熱凝固してしまい、熱水の浸透が悪くなって芯まで煮えにくくなってしまうからです。
「びっくり水」を入れることによって芯までやわらかく煮あげることができるようになるんですね。
見た目では、小豆にしわが寄ったように見えるので、「しわのばし水」ともいうそうです。
3.渋切り
再度加熱して沸騰したら、煮水を捨てて冷水で小豆を洗います。(洗うというよりはざるにあけて、上から水をかけるという感じです)
「渋切り」という工程はアクを洗い流すために行います。
でも。新豆の場合は煮水を全部捨ててしまうと色や香りも流れていってしまうので、半分くらいにしておきます)
4.煮上げ
渋切りのあと、中火で煮込みます。水は多すぎると小豆が踊ってしまって割れてしまいます。小豆の中身が出てきてしまうと粘りの強いあんになっちゃいます。
ここでも、ひたひたよりちょっと上ですね。
煮上がりの見方は、指で押して簡単につぶれる程度で。煮すぎは小豆の中身が出てきます。煮不足は口当たりがざらついたあんになります。
さぁ、小豆が煮上がりました。
鍋(できれば銅鍋)に水と砂糖を入れ沸騰させます。小豆を入れ木ベラでかき混ぜながら煮詰めていきます。おそらく最初はお汁粉のようですが、だんだん硬くなってくるはずです。
仕上がりについてはそれぞれ用途に応じた硬さがあるので断言はできません。一般的なあんだと、すくって落としてみてつのが立つ程度といわれています。
これで粒あんの出来上がりです。
さて、次はこしあん。
小豆を煮るところまでは一緒です。煮あがった小豆を「製あん機」というものにかけます。
小豆の皮と中身が分かれます。中身は水と一緒に水槽にたまります。そのままほおっておくと中身が沈殿するので、上のほうの水を捨てます。
また水をいれ沈殿させる。これを何回か繰り返します。
そのあと、小豆の中身が含まれた水を絞り袋にいれ、上から重りをかけていくと「生あん」というものになります。(生あんの写真は下にあります)
ちなみに小豆の中身は「ゴ」(あん粒子)と呼ばれます。でんぷんの粒子です。
つまりこしあんは、小豆の中身だけを集めて糖分を加えて加熱したものだったんですね。
こしあんの炊き方は粒あんと一緒です。水+砂糖で沸騰させ、生あんを入れます。木ベラでかき混ぜながら硬くしていくんです。
粒あんにも同じことが言えますが、かき混ぜるときは火は強め。ヘラ数は少なく。
弱火で長時間(ヘラ数も多くなる)煮ると、つやがなく痛くなります。舌触りもざらついたものになります。
そして、強火がいいからといって焦がしてはいけません。こげた臭いが餡についてしまって食べたときにおいます。
以上で製法についてはおしまいです。あんこ(餡)の製法についてはだいたいわかっていただけたでしょうか。
基本は上に書いたとおりですが、餡にはいろいろな副材料を入れることができます。
卵黄の入った黄身あん。砂糖が多く入り寒天の入ったもなかあん。求肥が入れば練切あんになります。
最近ではコーヒーを入れたり、チョコを入れたりしますね。いろいろな味をだせるのも餡の特徴です。
あん作りの歴史は古く、鎌倉時代のごく初期からはじめられたそうです。昔から製法はほとんど変わらずに「職人の勘」をたよりに作られています。
おいしい餡を作るには、原料となる良い豆を選び、豆の質を見極めてあんを作っていかなければなりません。
つまりは、いい材料をそろえるだけではなく、あんを作る優れた技術も必要だということです。
上を読む限り、要所要所、職人の勘がないとできない部分がありましたね。水を入れてただ煮ればいいと思っていたあなた、間違ってますよ〜。
現代の職人さんたちは、昔からの職人の勘・経験だけでなく、「製菓理論」という強い味方を駆使しておいしいあんこ(餡)を炊いているんです。
「おいしい」と言われること。それが職人にとって一番うれしいことなのです。
これであんこ(餡)ついてのお話」はおしまいです。また次回をおたのしみに。
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